リフォームと建て替えの違いについて

築年数が経過して老朽化した戸建て住宅の場合、リフォームか建て替えで悩んでいる方は多いのではないでしょうか。そもそも、リフォームは既存住宅の基礎部分を残したまま部分的に改修すること、建て替えは既存住宅を基礎部分から取り壊して新しい建物を建て直すことを指しますが、これらは費用や工期などに大きな違いがあります。

まずリフォームにかかる費用は、工事の規模によって大きく変わりますが、基礎と骨組みだけを残して間取りや内装などを一から作っていくスケルトンリフォームの場合は390?2,500万円ほどが相場です。工期については、1?5か月ほどかかります。一方の建て替えは、費用が1,000~4,000万円ほど、工期が3?8か月ほどかかるのが一般的です。

またリフォームは、修繕箇所が絞れることや予算が組みやすいというメリットがありますが、大掛かりな工事を行う場合は建て替えと変わらないほどの費用がかかります。加えて、スケルトンリフォームは間取りの変更が可能ですが、構造によっては希望の間取りが実現できないケースがあるので注意が必要です。一方の建て替えでは、耐震性能や断熱性能を高めるための工事が行いやすく、間取りも自由に変更できます。しかし、新築する時と同程度の手間がかかるとともに、既存の住宅よりも狭くなる可能性があるので注意が必要です。

以上が両者の違いと主なメリット・デメリットとなりますが、将来的に子供や孫などに相続する予定があるなど、長期間にわたって住み続ける予定があるのであれば建て替えがおすすめです。特に、1981年以前に建てられた住宅は、建築基準法が改正される前の旧耐震基準に沿って建築された建物なので、大規模地震が起こった際に倒壊する恐れがあります。現行の耐震基準に沿った建物にすることも可能ですが、その費用は建て替えた場合とほとんど変わらないものになる可能性が高いので、1981年以前に建てられた建物については基本的に建て替えを選択すると良いでしょう。

一方で、相続の予定がなく、大がかりな間取りの変更を希望しない場合はリフォームの方が適している可能性が高いです。特に1981年以降に建てられた住宅であれば、震度6?7の地震でも倒壊のリスクがない新耐震基準で建てられているので、リフォームを行った上で定期的なメンテナンスを怠らなければ50年ほどは暮らしていくことができます。ただし、リフォームと建て替えのどちらが適しているのかは、個々の状況によって異なるため、どちらを選択すべきか迷った場合は両方の工事に対応している業者に相談してみると良いでしょう。